路線バス探訪記

バスに乗って旅がしたい

中島汽船のトンネル経由を撮りに行く(~1日目~)

中島汽船のトンネル経由が撮りた~~~~~い。

 

はい、どこ?なにそれ?な方が多数だと思います。なので軽く説明タイム。

 

 

 

まず、皆さんは愛媛県の中島という島をご存じでしょうか。

愛媛の中心街である松山市駅からバスで30分かけて三津浜港へ。そこからさらにフェリーに揺られること1時間弱。たどり着いた先が忽那諸島(くつなしょとう)最大の島、中島です。

 


地図でご紹介。ちょうど松山、呉、周防大島のど真ん中に位置しています。

 

ちなみに、忽那諸島は全て松山市に属しているのもあってか松山発着の航路しか存在しません。

(岩国在住時、柳井からフェリーに乗ると一旦真横を通り過ぎるという行為がなんだか損した気分に感じて、なかなか手が出ずにいました。

 

 

 

さて、中島の位置が分かったところで本題に入ります。

まずは、中島汽船の公式HPにポツンと掲載されている時刻表をご覧ください。

!?

これは…そそられますね。

 

 


路線図も拝見。

島の真ん中を突っ切ってるのがトンネル経由ですね。ご丁寧にトンネルも記載してあります。

ここだけ見ると、とても一日一本とは思えません。

 


もう一度、時刻表で確認。独自区間は「中島港」~「西中港」の間ですね。

トンネル経由に乗車するためには、朝8時に中島の大浦港に居なければなりません。沿線で撮影するとなればもっと早くに着いておく必要があります。

 

 

朝一の松山から中島への船はこれ

大浦港7時48分着の高速船です。これなら乗車『は』簡単ですね。

しかしながら、折角のトンネル経由なので『トンネル』から現れるところを撮りたいのがマニアの佐賀。

 

 


果たして、船を降りてからトンネルまで先回りできるのでしょうか。

きっつ。

 

 


バスがトンネルを通過するのがおおよそ8時5分とした場合、港からトンネルまでは15分以内で着かなければなりません。
Googlemapの予想が35分なので、少し走ったくらいでは間に合うものではありません。船の遅れを加味するまでもなく、これは不可能でしょう。

 

これらのことからトンネル経由を撮るための選択肢を考えると。

 


1.    前泊
言わずもがな。
(懸念点…寝坊
2.    タクシー
高速船を降りて速攻でタクシーに乗れば、間に合うはず。
(懸念点…乗車時間が3分程度なので気まずい
3.    カーシェア
大浦港に週末だけ使用できる電気自動車のカーシェアがある。
(懸念点…カーシェアを初利用なので出発にもたつく可能性大

 


の3つに絞られました。

 

さて、どの方法を選んだのか当ててみて下さい。答えは二日目へ。

 

 

 

 

 

 

 

 

10月28日(土)

やってきました福岡空港

福岡から愛媛までは夜行バスに夜行フェリーなど多様な交通手段が存在します。
その中から選択したのは、松山空港までの直行便。

 

というのも、10月28日までの期間限定でJALスカイメイトを利用すると6000円で松山まで行けます。普通運賃が2万5千円なので○○%引きで乗れてとってもお得。これを使わない手はないでしょう。

 

 

参考に

バスもフェリーも学割があるので学生時代にはよく利用していました。

中島行きに乗るなら松山小倉フェリーが到着時間帯的にもBEST!なのですが、たっけえ~~。小倉に行く分も考えると『フェリー片道=飛行機往復』になってしまうのバグかな?
(7年前は学割で片道5000円くらいだったのに…

 

 

 

 

 

 


では、松山空港に向けて離陸。

 

 

着きました。

 


[現在までかかった時間]
目が覚めて布団から出るまで…1時間(二度寝
家を出るまで…1時間
家から空港…45分
空港での待ち時間…30分
福岡空港から松山空港…35分


結論.松山は近所

 

 


さて、松山に着いたので早速中島へ。行くと思ったか。

現在時刻が8時40分。中島行きの船は三津浜港を10時10分に出港です。まともな人ならば早めに港へ着いて過ごすでしょう。

 

ですが、バスマニアにまともな考え方の人などいません。限られた時間は全て有効活用していきます。

 

 

 

まず、松山空港から15分ほど歩いて「生石小学校前」のバス停へ。ここには松山市駅と三津港(三津浜港)を結ぶ路線が停まります。

 

やってきた8時59分発「三津港」行きのバスに乗り込みます。

 

 


結局、三津浜港に行くんかい。

いえ、行きません。

 


2つ手前の「三津二丁目」で降ります。
次に向かうのは伊予鉄道の三津駅。察しの良い方はもう気づいているかもしれません。

 

三津港行きが4分遅れだったので、路地裏を小走りで通り抜けます。

~10分後~

 

既にバスが停車中でした。

 

 

さて、この駅を発着する路線はひとつしかありません。
そう『三津ループ線』の「太山寺」行きです。

 

松山市駅まで来ないせいか、すこーし影の薄い『三津ループ線』は三津地区から四国八十八霊場の五十二番目である太山寺とを結ぶ20分程度の短い路線です。

 

 

 

「三津駅」から自分だけを乗せたバスは10分程度でもう終点に到着。最後の二区間は狭い集落内を走行します。

 

 

狭いのなら撮る以外の選択肢はありません。

 

 

 

 

 

素敵。

 


風情溢れる素晴らしい路線ですが、11月から土日運休になってしまうとのこと。なんだか近い内に廃止されそうな勢いなのが怖いですね。

 

 

 


さて、バスに乗らなかったために三津浜港10時10分発には間に合わなくなりました。
そう三津浜港『には』ね…

 

ここで太山寺の位置をおさらい

お?

 

現在時刻9時40分

 

 

歩きます。

 

 

 

 


※注

先に言っておきます。この道はおススメしません。

 

 


以下、後戻りできない愚かな人間の行動をお楽しみください。

 


太山寺の裏にひっそりと待ち構える階段を上ります。

 

もはや登山道ですね。古い遍路道のようであちこちに石像やら案内標識がありました。

 

 

峠の頂上に来ました。あと20分くらいかな?

 

え?なんで遠回り?

ん?






繋がってねえ!!

 

ん?

行ける?

 

戻ってたら確実に間に合わないので賭けてみることに。

 

 

松山観光港の表示も出てきたので安心して右に進みます。

 


 

道か?これ



 

草木をかき分けるって、こんな雰囲気なんですね



 


そして大山寺を出て歩くこと30分。

 

 


ついに

 

 


ついに

 

 

 

道がなくなりました



 

 

これ、道間違えた感あるな

航空写真を見ると数十mも進めば舗装された道に出られるような...
それともうあの道を戻るのは嫌…

 


進むっきゃねえ!

 

 


~地獄の3分間~

 

 

 

出た!!!!!!

 

これほどまでに美しい海は見たことあっただろうか。まるで祝福されているような快晴の下、港へと歩き出しました。

さあ、時刻は10時10分。中島行きフェリーの出港まで20分を切っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


いや最後まで試練たっぷりかい。



 

すべての障害を文字通り潜り抜け、出港10分前に松山観光港に到着しました。

 


ここで伊予鉄ICい~カードをリムジンバスの乗務員から購入。

なぜ今さら購入したのかというと、中島汽船の運賃が5%引きになるからです。中島までのフェリーが910円のところ、865円になります。うん、めっちゃお得。

 

 


この割引、ICカードの特典項目には船の運賃が割引される旨の表記があるのですが、現地の窓口などには一切記載がない(多分)ので大多数の観光客には知られていない情報だと思います。


伊予鉄しか使用できないのが玉に瑕ですが、どうせ1年くらい経ったらまた行きたくなるので購入しておきます。

 

 

 

ICカードで購入するとレシートが渡されます。これが乗船券なので捨てないようにしましょう。



 


さて、三津浜港からやってきた『フェリーななしま』に乗船です。

 

ツアー?の影響か船内は満員でした。土曜の午前10時なんて遊びに行くには最適な時間帯ですもんね。


『睦月」、『野忽那』と寄港して最終目的地の『中島』へ。ダイヤがきついのか乗客が多かったのか、5分くらい遅れての到着です。

 


下船するとターミナルの前でバスがお出迎え。船の乗客が全員降りたのを確認してバスは発車します。

 

2年前に全区間乗っているので今回は撮るだけ。島の北部に狭いとこがあるので自転車を借りて巡ります。



 

狭いのは「粟井」~「饒」の区間。後半は急な上り坂なので45分くらい余裕をみていたほうが良いかもしれません。

 

 

 

では、一発目の「大泊口」~「饒」

中型バスでもこの狭さ。たまらん

 


次のバスまで2時間以上間が空くのと、午後から動き出す車両がありその確認のため一旦大浦港まで戻ります。

海岸沿いをのんびり帰って13時半過ぎに着くと、すでにバスが待機中でした。

 

 

 

 

お?

 

 

 

お?



 

お?



お?



 

 

 

えー、それでは宿が取れなかったので松山に帰ります。

 

18時45分発の高速船が最終です。これを逃すと野宿確定。

 

 


18時35分ごろ改札が始まりました。乗客は他に10名ほど。行きのフェリーが嘘のように閑散としています。

ちなみに、こちらも割引が効いて80円引きの1540円です。めっちゃお得。うん、お得。そう、お得。

 

 

本土への最終便ですが、なぜか「野忽那」には立ち寄らず、「睦月」だけを経由し30分ほどで「高浜」に到着です。

そのまま目の前にある伊予鉄高浜駅から松山市街へ。

 


市内はホテルが高かったので友達の家に泊めてもらいました。

 

 

 

 

 

陸海空コンプリートした一日でした。



 

 

 

 


二日目へ続く…